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株式会社NSEは、培った経験をもとに、一般の皆様を支援(サポート)する会社です。

除染技術


 弊社は、国立大学法人秋田大学と共同で環境になるべく負荷を与えないで汚染土壌から放射性セシウムを抽出する2つの技術(「マイクロ波加熱による土壌からのセシウムの抽出」「バイオフィルムによる土壌からのセシウム抽出」)を開発。


マイクロ波加熱による土壌からのセシウムの抽出


  この技術は、汚染土壌に有機酸水溶液とアンモニウム塩水溶液を混ぜてマイクロ波で加熱することによって汚染土壌中の放射性セシウムを抽出するものです。
 抽出実験では、マイクロ波加熱に家庭用電子レンジを用い、加熱温度は100℃程。マイクロ波加熱は、外部加熱に比べて短時間で加熱できる特徴があります。

 使用する有機酸やアンモニウム塩は、食品添加剤や肥料などとして広く使われているもの(乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウムなど)です。抽出実験では、乳酸と硫酸アンモニウムの組み合わせが最も良い結果を示しています。

 抽出実験ではマイクロ波加熱に家庭用の電子レンジを用いましたが、大量の土壌の処理には工業用の大型のマイクロ波加熱装置が必要になります。用途としては、「仮置き場や中間貯蔵施設での汚染土壌の除染」、「田畑や一般汚染土壌の除染」が考えられます。



関係資料

 環境放射能除染学会の第2回環境放射能除染研究発表会予稿集P-036(H25.6)「有機酸及びアンモニウム塩水溶液とマイクロ波加熱による土壌からのセシウム抽出」(秋田大学提供)  なお、本技術は国際原子力機関(IAEA)の原子力関係資料のデータベース”INIS”に登録されました。



バイオフィルムによる土壌からのセシウム抽出


 本技術は、植物に吸収されやすい状態のセシウムを土壌中の糸状菌類を使って抽出するもので、土壌を有機酸水溶液に浸して糸状菌類を活性化させてバイオフィルム(「バイオマット」とも言う)を形成させて抽出するものです。

 抽出実験は、汚染土壌を有機酸水溶液に浸し48日後に水溶液と表面に発生したバイオフィルムの放射能分析を行った結果、水溶液ではセシウムは検出されずバイオフィルムにセシウムが濃縮されていることが確認されました。

 この実験は、先行の汚染した水田土を有機酸処理と無処理に分けた稲のポット栽培試験で、有機酸処理した方がセシウムの吸収量が多く、有機酸が植物のセシウム吸収に影響していること確認するために行われました。

 なお、バイオフィルムにより表面に集められたセシウムは剥ぎ取って回収されますが、下の土壌中には植物に吸収されやすいセシウムが残るため、ファイトレメディエーションと組み合わせて行うことが望ましい。 用途としては、水田土中のセシウム抽出。


 また、先行した稲のポット栽培試験においては、有機酸処理した方のセシウムの吸収量が栽培を継続すると年々少なくなる傾向があり、これは土壌中の植物に吸収されやすいセシウムが少なくなってきたためと見られる。この確認のため、肥料添加と再度の有機酸処理による吸収量の変化についての試験を継続している。


関係資料

・ 環境放射能除染学会 第2回環境放射能除染研究発表会予稿集P-036(H25.6)「根酸構成成分による糸状菌類の繁殖と土壌からのセシウム抽出作用」(秋田大学提供)
・ケミカルエンジニアリング(化学工業社)2015 VOL.60 NO.1 P23-29 「有機酸と糸状菌バイオフィルムを活用した低コスト放射能除染技術とその農業への応用」
・環境放射能除染学会 第3回環境放射能除染研究発表会予稿集S7-2(H26.7)「バイオフィルムの活用によるファイトレメディエーション除染技術の高効率化」

・環境放射能除染学会 第4回環境放射能除染研究発表会予稿集S9-5(H27.7)「有機酸により活性化された土壌糸状菌によるセシウム抽出効果とその持続性」
・環境放射能除染学会 第5回環境放射能除染研究発表会予稿集S1-1(H28.7)「有機酸により活性化された土壌糸状菌によるセシウム抽出効果とその持続性
環境放射能除染学会 第7回環境放射能除染研究発表会予稿集P1-02(H30.7)「有機酸により活性化された土壌糸状菌によるセシウム抽出効果とその再賦活化
環境放射能除染学会 第8回環境放射能除染研究発表会予稿集P1-05(R1.7)「クエン酸により活性化されたアオカビによる土壌からのセシウム抽出とその経年変化